京の冬の旅・非公開文化財特別公開をめぐる(1)

2006/01/29
京都の冬は寒い! お寺を拝観するときに、靴を脱いであがることが多いわけですが、その足元の冷たさは半端ではありません。ところが、この日だけは4月の陽気ということで「京の冬の旅」で特別公開されている寺院をまとめて見てきました。

1)妙心寺・隣華院
ここは、長谷川等伯と、狩野永岳の襖絵が同時に見られます。繊細な中に節くれだった枝を描く長谷川等伯と、華やかでむっちりとした狩野派を見比べることができます。長谷川等伯の襖絵は重要文化財です。その枯れた感じにわびさびを感じることができます。「京の冬の旅」のポスターにもなっていますし、ここはおさえておきたいところ。

2)妙心寺・春光院
ここには、1577年にポルトガルで生産された後、日本に持ち込まれ、キリスト教弾圧の中で密かに流れ流れてたどり着いた、キリシタンの鐘(重要文化財)があります。華やかな狩野永岳の襖絵もあります。あと、伊勢神宮を意識したつくりの庭があります。禅寺にもかかわらず、神道やキリスト教の影がちらつくという、ユニークなお寺です。

3)妙心寺・大通院
大河ドラマ「巧妙が辻」の山内一豊の菩提寺ですが、肖像画の掛け軸とお墓が見られます。昔は京都で有数の広大な庭園を誇っていたものの、明治時代の廃仏毀釈の影響でなくなってしまったということです。ということで、ここは襖絵や仏像などもなく、大河ドラマに思い入れの深い人以外は、600円の拝観料を回収するには厳しい内容でした。

4)大徳寺・芳春院
こちらは昔の大河ドラマ「利家とまつ」のまつが建てたという、前田家の菩提寺。金閣・銀閣・西本願寺の飛雲閣に次いで、京都四大楼閣のひとつだという呑湖閣があります。この4つの中では最も小さいのですが、小堀遠州作という山水庭園がその外側にあって、わずかに雰囲気を残しています。本堂の前庭は「花岸庭」と言って、昭和の名造園家・中根金作がつくった枯山水の庭です。ここの庭園を見ると、ふと心が落ち着きました。この芳春院は大徳寺の数ある塔頭のなかで、最も敷地が広いのだそうです。

半日かけて、ばばばっと回りましたが、いずれも自分の好きな禅寺ということもあって、心安らぐ時を過ごすことができました。このキャンペーン対象のお寺のスタンプを集めると、指定された喫茶店でお茶を無料でいただくことができます。僕も、大徳寺の近く、今宮神社のあぶり餅を食べて、ほっこりとさせていただきました。





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通し矢@三十三間堂

2006/01/15
毎年第二日曜に行われるという、三十三間堂の通し矢。江戸時代、幅およそ120メートルというこのお堂の北の端から矢を放ち、南の端の的に24時間で何本当てるかを競ったのが由来という、歴史あるイベントです。

この日、三十三間堂の拝観料は無料。整然と並ぶ1001体の仏像を拝むことができます。それだけでなく、本尊の前で7日間祈りをこらした浄水を、楊枝の小枝から参拝者に一滴そそぐという「楊枝(やなぎ)のお加持」も行われます。この「お加持」を受けると、頭痛が治り、無病息災・厄除開運の御利益があるのだそうです。ということで、多くの参拝客で混雑していました。僕も一滴、頭頂部に浄水をいただいてきました。薄毛予防には効くのかな?(そんなことを言ってはダメか)

お堂の拝観が終わると、横っちょに通し矢の会場があります。会場前には、50m近くの長蛇の列ができていました。なにせお堂は国宝。見られるスペースは限られている上に、一度に多くの人が詰めかけて建物が傷まないようにと、人数制限がされていました。実際に見ることができるまで、20分以上かかりました。

現在の通し矢は、三十三間(約60m)先の的を射ようというもので、今年20歳になる全国の大学の弓道部員などが参加していました。参加者は甲と乙の2本の矢を放つわけですが、これがなかなか当たらない。というのも、的まで28mの近的競技の練習をするのが普通なんだそうで、なかなか60mの練習はできないみたいです。そんなわけで、直径1mの的に当たるだけで、観客からは「おおー」という歓声が上がっていました。

お堂の掲示に掲載されていた、江戸時代の通し矢はすごいルールでした。幅120mのお堂の端から、もう一方の端まで、24時間かけて矢を放ちまくって、どれくらい的に当たったかを競うのです。なんと最高記録は1688年にうちたてられたもので、13053本放ったうち(これでも約6秒に一本発射しなくてはいけない)、8132本を射通したそうです。ホンマかいな。その矢を放つピッチの早さから、「矢継ぎ早」という言葉が生まれたのだそうです。

それに比べれば、現代の通し矢はかなり恵まれています。1人2本ずつ。しかも全然当たらない。まあそれは武士の時代とは違って、存在価値をかけたものではないから仕方ないのですが...もう少し迫力があると面白いなぁと、まったく弓道のわからない者として、他人事のように思ってしまうのでした。


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えべっさん@西宮神社

2006/01/09
今年の福男は誰か? 男たちが境内を全力疾走する姿が、毎年ニュースに出てきますよね。正式に言うと、西宮神社の開門神事。それに先だって、商売繁盛を願う「えべっさん」に行ってきました。

夕方、阪神西宮駅を降りると、すでにターミナル駅並みの人出でした。女子トイレには長蛇の列ができてました。おお、西宮はそんなに利用者数の多い駅なのかと思ったら、そうではなくて、神戸や芦屋、尼崎などからも商店主が店を閉めてお参りに来るそうです。

駅から歩いて5分ほどのところに、西宮神社はあります。神社に至るまでのアプローチは、焼きそばやフランクフルトなどの露店や金魚すくい、射的などのアトラクションもあって、東京では見られないほど賑やかです。

神社の表門では入場規制をしていて、なかなか入れませんでした。門の周辺では少しでも早く入ろうというおばちゃんやお兄ちゃんがさりげなく背中を押していて、おしくらまんじゅう状態。小さい子の悲鳴も聞こえました。お参りで一刻を争ってどないすんねん。

本殿までの道は、人で埋め尽くされています。少しずつ進んでいきますが、境内にも露店が長々と続いています。中には「お化け屋敷」や「ディズニー占い」などの変わったアトラクションもありました。福男レースも同じ場所を走るわけですが、微妙なカーブと滑りやすい石畳、直角に曲がった先には大きな楠の木が立ちはだかる。ここを全力疾走するのは、結構難しいですねえ。

なんてことを思いながら、本殿手前の拝殿に着くと、そこで若い神主さんが大きな幣(ぬさ)を持って、通りかかる参拝者に片っ端からお祓いをしていました。僕もアタマを突っ込んで少しだけ祓ってもらいました。

拝殿を越えて、本殿左側に、これまた独特な「招福マグロ」が奉納されています。これは近所の漁業組合が、例年300キロを超える巨大マグロを納めるということです。ちなみに、今年の大きさは286キロでした。面白かったのは、このマグロに参拝者がお金をぺたっと貼り付けていくこと。僕が見たときには、マグロの表面はすべて硬貨で敷き詰められ、銀や銅で光って、マグロとは思えない状態でした。毎年この十日戎が終わると、関係者が刺身にして食べるのだそうです。大丈夫なのかな? それにしても、なんで鯛ではなくてマグロなんだろう? 

本殿でお参りをする時間は30秒もないでしょうか、そのへんは混雑する初詣と変わらない感じです。今年はきちんと住所と名前とお願い事をつぶやいてきました。あれだけ人がいたら、神様も大変だろうな。

お参りを終えると、えべっさん恒例の笹が売られています。笹には、七夕のように「商売繁盛」と書かれた短冊と、豊作を願うシンボルとして小さなプラスティックの米俵がぶらさがっています。長さは50センチくらい。これがひとつ1000円。今宮戎神社では、本物の笹が配られて、そこにアイテムを買い足していくのですが、ここ西宮神社の場合は笹もプラスティックでした。本物の笹だとすぐに枯れてしまうのですが、どっちがいいのやら。

去年の今宮戎神社と比べると、混雑具合は同じですが、西宮の方が雑然とした印象を受けました。それでも、「えべっさん」は関西オリジナルのイベントで、こちらの人の商売に対する思いの強さを肌で知るにはよい機会だと言えるでしょう。それで儲かるかどうかは別ですが...


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