四万十川で深呼吸

2006/08/27
四万十川沿いの秘湯・柳瀬温泉は、木々に囲まれて、マイナスイオンたっぷり。いつもより深く眠ることができたせいか、目覚めスッキリ。

午前9時過ぎに宿を出て、雄大な四万十の景色を眺めながらゆっくりと車を走らせました。四万十川名物の欄干のない橋、沈下橋の近くで車を止めて、少しだけ川の中に入ってみました。水が透明で、気持ちよくひんやりとしていました。その冷たさを受け止めようと、その川の水で顔を洗いました。自分についていた猥雑なものすら取れるような気がしました。

四万十川2

流れが静かだったので、カヌーをしてみたかったのですが、所要時間がかかるということで断念して、遊覧船に乗ることにしました。遊覧船と言っても、小さな屋形船。旧中村市街へ向かう途中に何軒か遊覧船を運航するところがあって、そのうちのひとつ「四万十の碧」に乗ることにしました。特にここにした理由はありませんが、団体客と、個別の定期便利用客に分けていたところが非常に良かったです。川沿いには、ガイドブックに載っていないような小さな運行会社もありますので、少人数で屋形船を独占したい場合には、そういう試みをしたほうがよいかと思います。

出航を待つ間、川から上がったところの岩場に、去年の台風で上昇した水位の高さが記されていました。その高さは、周囲の畑や民家を飲み込むほど。水をせき止めるダムがないため、大雨が降るとたちまちのうちに水位が上がるのだそうです。そのために増水時には水面下に沈む橋、沈下橋が20以上もあるのです。

四万十川1

車道から見る四万十川も雄大ですが、船から見る四万十川もまた良し。水面は周囲の緑を反射し、流れがないように見えるほど水面は穏やか。その中を船はスムーズに進んでいきます。吹き抜ける風はさわやか。自然と一体化するような気分になって、深呼吸を繰り返しました。ここでは自然の豊かさ、大きさ、恐ろしさ、すべてを感じることができます。日頃街で暮らす自分にとっては、非常に貴重な体験でした。

四万十市の中心街の食堂で、昼食を食べました。鰹のたたきと鮎の塩焼き、あおさの天ぷら、ごりの佃煮...すべてこの土地の近くで採れるものばかりで、鮮度があって非常においしかった!


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高知横断:龍河洞〜四万十川

2006/08/26
日本最後の清流と言われる、四万十川。川にふれやすい夏に行ってみたいと思っていました。週末の天気予報で台風が来ないことを確認して、宿を予約しようとしたら、高知・中村周辺の宿はすでに一杯でした。夏休み最後の日曜日、自然を楽しもうという家族連れが多いのでしょうか。現地の事情もわからず、とりあえず検索サイトで「四万十川・直前予約」と入力して、最もリーズナブルな温泉宿を予約しました。これが後々に大きな影響を与えることになるとは知らずに。

大阪から四万十川の河口、中村までは、電車を乗り継ぐと6時間くらいかかります。これでは週末が移動で埋もれてしまう。ということで、今回は伊丹空港から飛行機で高知まで飛び、そこからレンタカーで回ることにしました。全日空の機体は意外なことにプロペラ機でした。大丈夫かいな、と思いましたが、乗ってみると意外と快適。フワッと離陸してくれます。しかも時間がかからなくて、50分で到着します。週末2日間で高知を回るなら、多少お金がかかりますが、時間を買ったと思えば、飛行機はオススメです!

1)龍河洞
いきなり中村へ向かうのではなく、2週間前によさこい祭りを見に行ったときに行きそびれた「龍河洞」という鍾乳洞に行きました。ここは最寄り駅からの定期バスが1日に3本しか走っていないため、レンタカーでないと行きづらいところです。高知空港からは20分ほどで着きます。入口の手前には、セールス旺盛な土産店が立ち並びます。軒先を歩く自分を追いかけては「いいお土産あるよ、どう? ほら見てみて」と声をかけてきます。人の良さそうな店員さんで断るのは忍びないのですが、かといって自分に必要なものでもないので、丁重にお断りしました。ここでは刀や包丁、鰹などが名産品ですが、お店の「いのししラーメン」という面白いメニューのあるお店もありました。

入洞料はひとり1000円。入ってみるとひんやりとして気持ちいい。中の温度は18度でした。鍾乳洞は冬になると逆に暖かく、14度くらいまでしか下がらないのだそうです。ここにいれば暑さ寒さはしのげる、ということで、鍾乳洞自体は昭和9年に見つかったのですが、弥生時代のが住居跡があります。驚いたのは、当時使われていた土器が石灰石と同化してしまっていたこと。

凹凸の激しく、小腸の柔突起のような壁面は、見ていて非常に不思議。ビロードのような形や、鬼面のような形などもあって、そういう箇所にはネーミングがされています。見慣れない奇抜な地形を歩くと、インディ・ジョーンズのように探検をしている気分になります。天井からは水滴がポタポタと垂れてきて、ひんやりと気持ちいい。こうもりが住んでいるそうですが、昼間は飛んでいないそうです。およそ1キロ、30分ほどの洞窟体験は、非常に新鮮でした。 


2)秘湯・柳瀬温泉へ。
龍河洞から、今回宿をとった、四万十川沿いの秘湯・柳瀬温泉まで車で向かいます。120キロほどの道のりのうち、高知自動車道が通っているのは、最初の40キロ程度。あとは一般道。高知は山がちな土地で、人の往来もそれほど激しくないためか、交通の便の開発が進んでいないのがわかります。それがかえって、四万十川のような素敵な自然が残される理由になるわけです。やはり人間にとっての利便性と自然環境は相容れないものなのでしょうか...

四万十川は全長120キロ余りの長さですが、柳瀬温泉への道のりでは、四万十川の上流から寄り添うようなルートをとりました。この眺めがすばらしい。両脇には緑豊かな山、中央に深緑色の穏やかな水面の川が流れて、堤防がない。ドイツのライン川で見たときよりも雄大な景色です。人家はあるものの、雄大な全景のなかでは本当に小さく見えます。ここでは、自然が人間の生活を圧倒的に凌駕しているのがわかります。日本版の山水画が描けるような感じです。まさに山紫水明。あとでわかったことですが、四万十川の中心都市・中村からは道が狭くて、観光バスなどの大型車が入れないため、あまり多くの観光客が目にすることのない地帯です。つまり穴場。本当に気持ちよい眺めでした! 

柳瀬温泉は、四万十川の中流にある、ごく小さな温泉です。カーナビで探しても見当たりません。ネットで探しても行き方が一切載っていません。まさに現代の秘境。国道沿いに小さな看板が出ていたので、それを頼りに、四万十川を渡り、細い道をたどっていくと到着します。夜だと看板が見えず、周りが真っ暗なため、初めての人がすんなりと着くことは不可能だと思われます。ちなみに、龍河洞からは4時間弱かかりました。

宿は全部で4室ほど、こぢんまりとした簡素なつくりです。この大自然の中で大理石風呂を期待する方がおかしいと思いますが、どこか懐かしい感じがします。携帯の電波は届きません。早速お風呂に入りましたが、これが実に滑らかな硫黄泉。少し入るだけで肌がヌメヌメとしてきます。保湿効果は抜群なのではないかと思われます。これで朝食付き1泊3500円は安い!

柳瀬温泉から、四万十川観光の中心都市・中村に出ることにしました。これが大変。四万十川沿いに国道を走るのですが、途中、乗用車がすれ違うのが困難なほどの狭い道が10キロ近く続くのです。対向車が来てはスピードを落として、山肌を擦るように車を寄せなくてはいけません。ここでは地元の人が使う軽自動車が非常に小気味よく走るため、僕らのような慣れない車は鈍臭くストップ・アンド・ゴーを繰り返します。そうしていると、やはり自分の車を先頭に数珠つなぎになっていきます。これがプレッシャーになります。でも事故れないので、申し訳ないと思いつつも、マイペースでいきました。

中村までは1時間近くかかりました。途中は雄大な景色とさみしい街がモザイクのように続きます。驚いたのはコンビニが一軒もなかったこと。流通も難しいエリアなのでしょうか。中村も想像以上に小さな町で、全国展開の大手スーパーは見当たりません。コンビニはスリーエフとサンクスが2軒ほど。レストランというよりは食堂が数軒。地方都市にありがちな大型店もほとんどありません。

ただ、寂しさを感じるこの町が賑わいを見せたのが、この日の夜に行われた花火大会でした。いったいどこにいたのか、と思うくらいの人が、四万十川の河川敷公園に集まってきました。


3)四万十花火大会
この日は、年に一度の花火大会。通算でも第二回という、まだまだ始まったばかりのイベントですが、地元の人たちや観光客で河川敷の屋台村は賑わっていました。午後8時に花火が上がると、立て続けに大きな花火が大輪の花を咲かせました。失礼ながら、町の規模の割には(失礼)かなり本格的な大玉が多く、見応えがあります。

人が集まっているとは言え、東京や大阪のような都市で行われる花火大会に比べれば、圧倒的に少なく、そのために花火からすぐ近くで見ることができました。しかも、自然の豊かな土地で、人口密度も低いからか、真っ暗な空と鮮やかな花火のコントラストが見事。花火の絵柄がはっきりとわかりました。今はドラえもんやアンパンマンの顔が出てくる花火があるんです。花火大会のクライマックスは息もつかせぬほどの連発。街全体が明るくなるほどの迫力でした。これはかなり満足のいく花火大会です。

花火が終わったあと、柳瀬温泉までの道のりが大変でした。細い国道を通り、真っ暗な道を心細い思いで走りました。ここで迷ったら野生動物に教われるのではないか...そんな恐怖感すらありました。なんとか1時間余りで着くことができました。


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幻の和牛「見島牛」を食す

2006/08/19
国の天然記念物に指定され、年間12〜13頭しか食用に供されないという幻の和牛「見島牛」(みしまうし)を食べる機会に恵まれました。見島は山口県萩市から日本海沖にある離島です。このため、他の和牛で進んだ交配が行われず、見島牛はそのまま純粋和牛として残されました。筋繊維の細かい肉質は、「究極の霜降り肉」と評価されています。あまりにもレアなため、市場に出回ることはなく、もちろんレストランのメニューに載ることはありません。ですから、非常に稀な機会でした。

今回、そんなレアな機会を提供してくださったのは、見島牛の生産農家とのパイプをしっかりと持ち、安定的に肉を手配しているというMさん。仕事とは全く関係なくこういう活動をされているところがすばらしいです。だからこそ、農家の方とも仲良くしていられるのかもしれません。会場は横浜?関内にあるフレンチ「エルミタージュ」。今回の部位は、ハラミ ・しんたま ・タンでした。

見島牛1

まずいただいたのが、しんたまを生かして握られたにぎり寿司。見た目からして極上のトロのような色とつや。醤油をつけずに、そのままパクリ。ツルッとなめらかな舌触りが最高で、本当に飲み込みたくないくらいのもったいなさ。続いて、カルパッチョ。とうもろこしのたれが香ばしい。肉の良さをさらに引き立てる味わいで、シェフの腕の良さを感じます。

見島牛3

タンは、先、真ん中、付け根の3カ所にわけて焼かれてきました。先が一番固くて、付け根がやわらかい。塩をふっていただきましたが、程よくさっぱりとした脂、食感はタンらしく、しっかりとした感じでした。その次のハラミも焼かれて出てきました。とろけすぎず、固すぎず、少しだけジューシーだけど脂っこくない。脂も嫌みがなくて、どこかさっぱりしている。天然の霜降りの良さが、全身に染み渡るように広がりました。

見島牛2

いや〜、本当に史上最強の和牛を食べられて幸せです。しばらく牛は食べなくてもいいな。ところが、2日後に神戸牛を食べる予定が入ってます...うれしい悲鳴です。


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阿波踊り@徳島

2006/08/13
高知でよさこい祭りを見た翌日、徳島へ移動して阿波踊りを見に行きました。祭りのスケジュールと曜日の巡り合わせが合わないのですが、今回は四国を代表するお祭りを立て続けに見られる機会に恵まれました。「見る阿呆」も忙しいのです。

高知から特急を乗り継いで3時間、祭りの期間なのに、阿波池田からの特急「剣山」はガラガラで寂しい感じ。徳島駅に着いて、阿波踊りの案内テントを発見してようやくホッとしました。有料観覧席で良い席はすでに満席とのことで、祭りの開始時間前に無料観覧席に行くことを勧められました。

祭りの開始は午後6時。それまで阿波踊り会館に行ったり、徳島ラーメンを食べたりして時間をやり過ごしました。それにしても、その時間が間延びして感じられるほど、この町は観光したいと思うスポットが少ないのが残念です。

祭りの始まる10分前(午後5時50分)、案内のおじさんに勧められた「新町演舞場」に行きました。演舞場と言っても、駅前からの広い目抜き通りの一部のことです。観客はあっという間に集まってきて、道路脇の仮設の観覧席はすでに一杯。そこで(まだ車が通っているにも関わらず)中央分離帯に座っている人たちの間に割り込ませてもらうことにしました。

午後6時になって車両通行止めになると、それぞれのチームの衣装を来た踊り子や囃子方がぞろぞろと出てきました。テンポの良い鉦の音をきっかけに、笛と太鼓、三味線が続き、踊り子たちが現れます。女性は編み笠を目深にかぶり、両手を高く上げて小股で上品に踊ります。男性は浴衣や法被姿で、腰を落とし、がに股で交互にステップを踏んで出てきます。男踊りをする女性は多いのに対して、女踊りをする男性はいませんでした(当たり前?)。

それぞれのチームの名前には「○○連」と、最後に「連」がつきます。地域による結びつきや、企業チーム、大学チームなど、チーム構成はまちまち。登場の仕方や踊りの構成もチームによって異なりますが、踊り方の基本ルールは共通しています。踊りのうまいチームは「有名連」として人気があって、毎年注目を集めます。かと思えば、「れれれの連」というダジャレのような名前をつけて、踊り方もバカボンのレレレのおじさんのように箒を持ち「お出かけですか?」と言いながら踊る集団もいました。そういえば、女優の水野真紀さんも参加していました。踊る前に、多くの人に囲まれて、携帯写真のフラッシュを浴びてました。議員の妻は大変です。

リズムはアップテンポでわかりやすく、「踊る阿呆に見る阿呆」というくらいに陽気なので、見ている人も隊列に加わって踊ってみたくなります。そういう人たちのために「にわか連」として、簡単なレクチャーを受けたあとに参加できるような仕組みもあります。よさこい祭りとの最大の違いはここにあって、参加する楽しさはあっても敷居の低さが違うように思いました。

結局、大阪へ向かう最終高速バスに乗るため、2時間弱しか見ることができませんでした。この祭りを語るには短すぎる時間かもしれません。でも祭りの持つ陽気さに元気をもらったような気がします。
(UPが1ヶ月も遅れてしまいました)


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本場の「よさこい」@高知

2006/08/12
よさこい祭りは、いまや全国各地のお祭りに登場するほどの影響力を見せています。派手な衣装とアクションが印象に残っていますが、本家本元のお祭りはどうなっているのか、この目で見てみたいと思いました。

今年は9日から12日まで、4日間、187チーム、約2万人の踊り子が参加するという規模です。踊り子の数にビックリ! 12日は全国大会ということで、全国各地から参加したチームと高知県の優秀なチームが合計5箇所の会場に順番に登場しました。

よさこいのルールは非常に自由度が高くて、「よさこい鳴子踊り」のフレーズをどこかに入れればOK、音楽のアレンジはどういうテイストにしてもOK。踊りも、衣装も、チームの先頭を走る派手なトラック、地方車(じかたしゃ)も、チームによってデザインや色使い、演出が全く異なります。

まだ夕日がまぶしい午後6時。よさこい祭りの会場に近い、はりまや橋に向かいました。この付近では、踊りの合間に休息を取る踊り子でいっぱいで、観客の数と変わらないくらいです。より大きな音のする方向へ向かっていくと、PAを積んだ大きな地方車と、その後ろに激しく動く踊り子たちが、商店街の中を通っていくのが見えました。

とにかく音が大きくて腹にズンズンと響きます。衣装はどのチームも極彩色で、踊りはチーム毎に統一されています。こうやって見ていると、かなりエネルギッシュで踊り子たちは楽しそう。おばちゃんから、子供まで、チーム毎にメンバー構成もいろいろ。全体的に見ると20代、30代が中心になっていると思います。曲の間には、「きょう、ここで踊れることが本当にうれしいです!」というアナウンスがあります。何ヶ月も練習した末にこの日を迎えたんだろうなと思いました。

会場は5カ所に分かれていましたが、メインは高知城から伸びる追手門前会場です。片側2車線の両側車線にそれぞれチームが登場して踊っていく様は壮観です。ただ、有料観覧席のチケットがないと入れません。僕も、観覧席の脇から見るにとどまりました。はりまや橋近くのステージは、祭のフィナーレに使われていて、他会場が終わった後、最後まで踊りが披露されてました。

見ている自分にとっては、どのチームの何がすごいのかがわからず、チームごとの特色も注意して見ないとよくわかりません。違いを見つけるとすれば、チームごとの統一感と、音楽やダンスのアレンジ、予算のかけ方などなどですが、これを一度に見つけ出すのは大変です。よさこい専門家の解説がほしいくらいにわかりにくく、親しみやすさという意味では、原宿の竹の子族を見る視線と(古い例えですが...)あまり変わりませんでした。

でも、それでいいのかもしれません。よさこい祭りはそもそも盆踊りの延長にあったわけですし、盆踊りの櫓が地方車になって、踊り方がエネルギッシュになって、曲が現代的になって..と盆踊りが現代的に進化したものだと考え直しました。他人の視線を気にせずに、自分を表現できれば、それで満足できるのでしょう。

まあでも、観る側の論理としては、もうちょっとリズムや踊りが、普通に見に行った人にも親しみやすいようにアレンジされてほしいし、5分も練習すれば参加できる形も残してほしいと思いました。




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