レトロな街歩き@福岡・門司港

2008/09/23
なんと年間200万人もの観光客が訪れるという街、門司港。どういう魅力があるのでしょうか?

博多から特急と普通を乗り継いで50分で、門司港に到着します。
門司港駅1


駅舎が実にレトロ!1914年に竣工した、国の重要文化財です。
門司港駅舎


みどりの窓口も、レトロです。
門司港駅舎2


駅前では「バナナのたたき売り」の実演販売が行われていました。
バナナのたたき売り@門司港


「結構毛だらけ、猫、灰だらけ...」とは言っていませんが、さすがに立て板に水です。
バナナのたたき売り2@門司港


門司港は「バナナのたたき売り」発祥の地なのです。ちなみに、最盛期は大正初期〜昭和初期だったそうです。これは駅から徒歩2分ほどのところにある石碑です。
バナナのたたき売り発祥の地石碑


ちょっと足を伸ばして、下関へ。小さな船便が20分に一便運行されています。運賃は片道390円。写真は、下関側から見た関門海峡です。
関門海峡


こちらは関門橋。
関門橋


さて、連絡船は、下関の唐戸(からと)市場の近くに着きます。ここが、とても面白いのです。
下関・唐戸市場


日曜午後1時過ぎに着きましたが、ご覧のようなにぎわいです。
下関・唐戸市場2


何が売られているかというと、一貫100円〜300円のにぎり寿司です。市場ならではの新鮮さ、下関ならではのネタが並んでいました。
唐戸市場のにぎり鮨


あっという間に、10貫以上を平らげてしまいました。中でもおいしかったのは、さんま!
唐戸市場のにぎり鮨:さんま


他にも、くじらベーコンや、アラ、ふぐなど、よりどりみどり。それにしても、下関では「ふく」と濁らないんですね。
下関・唐戸市場:ふぐ


午後1時45分には、タイムセールが始まりました。残ったにぎり鮨が、一貫100円均一で売られます。ただし、トロは除くのだそうです。
下関・唐戸市場:タイムサービス


下関・唐戸市場:タイムサービス2


ちなみに、「うにソフトクリーム」というものが売られていました。確かに、うにの味がします。
うにソフト


門司港に戻って、開閉式の橋「ブルーウイング」が動く瞬間を見ました。
門司港:ブルーウイング1


垂直に橋が上がるのは、とてもダイナミックな光景です。
ブルーウイング2


いま、門司港に多くの人が集まるのは、九州の玄関口として栄えた時代の遺産が、そのままコンパクトにそろっているからです。れんが造りに瓦屋根という面白い意匠の建物があります。
旧大阪商船@門司港


旧門司税関@門司港


国際友好記念図書館@門司港


門司港駅と平行して、九州の鉄道記念館があります。この門司港駅か、九州の鉄道発祥の地でもあるというのです。なつかしい列車が次々と展示されていました。
SL@九州鉄道記念館


寝台電車@九州鉄道記念館


電気機関車@九州鉄道記念館


ボンネット型特急車両@九州鉄道記念館


建造物や町並みを当時のまま残すことで、門司港の九州の玄関口として栄えた歴史がよくわかりました。そのなつかしさと、下関の豊かな海産物のおかげで、200万人もの観光客が訪れるのだ、と納得しました。
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3000人の巨大綱引き@鹿児島・川内大綱引

2008/09/22
およそ3000人が、長さ300m、直径35cmの綱を真剣に引っ張り合う、日本一の綱引き...と、聞いただけでワクワクする「川内大綱引」。400年の伝統を誇るという、この行事は毎年9月22日に開催されます。戦国時代の慶長年間に、薩摩藩が少年たちを鍛えるために始めたのがきっかけで、町の豪商たちが商売運を綱引きに託して勝ち負けを競ったことで発展したということです。それにしても、3,000人とはすごい規模です。連休の谷間ですが、行って見ることにしました。

川内大綱引:直径35cmの綱


会場は、九州新幹線の川内(せんだい)駅から徒歩10分ほどにある、国道3号線の道路上です。道の両脇は商店街になっています。綱引きのスタートは午後8時15分ですが、開始前から上半身裸に白や紺の作業着ズボン姿の男たちが気勢を上げる声が町中にこだましていました。年に一度のビッグイベントに町のテンションは上がっています。

現場近くのビジネスホテルを当日予約して、観戦体制を万全にしたうえで、午後8時前に会場に着きました。目指すは綱引きの中心点となる場所です。このような土地勘のない場所でのイベントで何を見るかを考えるときに参考になるのは、報道カメラのための取材席や、祭の元締め、貴賓席、警備本部のある場所です。その近辺では必ずイベントの要点が見られるはず。ということで、そのような場所に陣取り、祭の開始を待ちます。

ほどなくすると、肩車に乗って、赤い旗を力一杯横に広げた男たちが、少しずつ中心に迫ってきました。不穏な空気が漂い始めます。この赤い集団は「上方」(かみがた)と呼ばれていました。
川内大綱引:上方の登場


反対側からは、白い旗を広げた男たちが現れます。こちらは「下方」(しもがた)と呼ばれています。両者が一触即発の状態でにらみあいます。
川内大綱引:上・下にらみあい


一部では小競り合い...とともに、突然太鼓が連打されました。綱引開始の合図です。両側から、ものすごい「ワッショイ!」という掛け声が響きます。自分の周辺、中心部では両軍が入り乱れて、押し合いへし合いしています。この綱引きは、両脇で綱を引くだけではなく、中心では両軍が激しくもみあって、やがて相手方の綱引き隊を妨害します。なにせ3,000人以上が参加する綱引きですから、いろいろな役割の人がいます。綱引きだから、より長く引いた方が勝ちのはずですが、中心点がぐちゃぐちゃで展開が読めません。なんだかわからないうちに、一回目の勝負は赤い方(上方)が勝ちました。

すると、次は綱引きの中心点が大きく上方に移動しました。勝負と勝負の間は、参加者が休憩をとるとともに、次の勝負に向けて、太い綱に細い綱を結びつけ、その細い綱を引っ張る仕掛けをつくったり、「手伝ってください!」「我々に勝たせてください!」などと観客に呼びかけていました。観客もどんどん参加することができるのです。

川内大綱引:参加者呼びかけと綱のとりつけ


川内大綱引:取り付けられた綱


このお祭りの主役は「一番太鼓」と呼ばれる役の男。一生に一度の名誉職で、上方・下方から一人ずつが選ばれます。この一番太鼓は肩車をされて、多くの男に支えられながら、ひたすら太鼓を打ち鳴らします。肩車されるだけあって、両軍とも体重の軽そうな人が選ばれていました。精魂込めて太鼓を叩いているので、かなりしんどそう。

川内大綱引:上方一番太鼓


川内大綱引:下方一番太鼓


多くの人たちが、「ワッショイ!」の掛け声にあわせて、同じ方向に力一杯に綱引きをするさまは、それだけで感動を誘うような一体感を感じました。美しい光景です。それに迫力満点!

川内大綱引:引き隊1


川内大綱引:引き隊2


一回の勝負で、あらかた決着が見えると、綱が地面に落ちます。勝っている方の引き隊は雑巾がけのようにして綱を引き寄せます。
川内大綱引:引き隊3


中心点を上方・下方交互に大きく移動しながら、合計5回の綱引きが行われました。これは審判長による結果発表の瞬間。午後9時45分の段階で中心からより多く引いていたほうが勝ちです。
川内大綱引:結果発表


今年は上方が勝ちました。上方の男たちは、勝ちどきをあげて引き下がっていきます。
川内大綱引:上方、勝利の凱旋


祭が終わると、直径35cmの綱が、チェーンソーで切られていきます。
川内大綱引:綱の切断


編み込まれた綱が、スパゲティのようにばらけます。
川内大綱引:切られた綱


ばらけた綱を持ち帰ると、今年一年、無病息災でいられるそうです。
川内大綱引:綱を持ち帰る人たち


道路上には、激戦を物語るかのように、綱からはがれ落ちた藁が散乱していました。
川内大綱引:戦いの跡


こういう行事は、血中ヤンキー度が高いと威勢が良くなって盛り上がるのですが、期待を上回る迫力と真剣さで、見ていてとても面白かったです。地元の人たちの、この行事にかける情熱と愛着をひしひしと感じました。
川内大綱引:綱とダン木

(これは、川内駅構内に置かれた、綱引きの綱と「ダン木」と呼ばれる中心点の杭です)
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ぐるっと鹿児島の午後

2008/09/22
NHKの大河ドラマ「篤姫」(あつひめ)ブームに沸く鹿児島。いま街の至る所に、篤姫にちなんだポスターや商品が見かけられます。NHKで視聴率20%クラスのヒットが出た時の威力のすさまじさを、まざまざと感じます。

そんななかで、ブームを無視するかのように、鹿児島市内の主な観光スポットを、便利な市内観光バス「カゴシマシティビュー」を活用してまわりました。1回の乗車につき180円ですが、一日乗車券で600円とお得なので、こちらを購入しました。

まずは、標高105mの高さながら、市内が一望できるという、城山公園へ。展望台に着くと、目の前には桜島がドーンと待ち構えてます。絵はがきのような写真が撮れました。

桜島全景from城山


続いては、仙巌園(せんがんえん)へ。1658年に薩摩藩主・島津家の別邸が建てられて以来、現在まで残されてきた、広さ15,000坪にも及ぶ広大な敷地に、伸び伸びと庭園が広がります。
仙巌園庭園


京都で多くの庭園を見てきた自分にとっては、南国情緒が加えられたアレンジに目が向きました。まずは、錫門。屋根の材質が錫なのです。
錫門@鹿児島・仙巌園


巨大な灯籠。これは日本初のガス用灯籠です。
日本初のガス灯籠@仙巌園


何と言っても、植生が南国仕様です。
仙巌園の庭園


これは珍しい、猫を祀った猫神。16世紀末の文禄・慶長の役で、島津家17代義弘が朝鮮半島に7匹の猫を連れていき、猫の瞳孔の開き具合で時間を推測したそうです。この神社は、その7匹のうち、生還した2匹の霊を祀っています。
猫神@仙巌園


鹿児島における島津家のプレゼンスの大きさを噛みしめながら、続いては、桜島桟橋経由で、フェリーに乗り換えて桜島へ。10分に1便が出航するという頻度の高さ、運賃が150円という安さにビックリ。

桜島フェリー


桜島へは、時間がない中で強引に立ち寄りました。タクシーのおっちゃんのお誘いを振り切って、キョロキョロと火山らしい場所はないかと見回したら「溶岩なぎさ遊歩道」がありました。荒涼とした感じがとても良い!

溶岩なぎさ遊歩道1@桜島


溶岩なぎさ遊歩道2@桜島


溶岩なぎさ遊歩道3@桜島


最短で40分ほどかかります。最長で1時間ちょっと。遊歩道の途中に、有名俳人の句碑がありました。
溶岩なぎさ遊歩道4@桜島


溶岩なぎさ遊歩道5@桜島


最後は、中心街・天文館で、鹿児島ラーメンをいただきました。地元で評判だと言うお店に行ってみたのですが、残念ながら麺が柔らかすぎて、スープも脂が強すぎて、自分の好みではありませんでした。ということで、店名も割愛します。

これでも所要時間5時間弱。鹿児島を超特急で観光しました。まだまだ見てないところがたくさんあるはずですが、ガイドブック的なアウトラインはこれでなぞれます。次回は、黒豚とんかつと、指宿の砂蒸し風呂かな...
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ディープコリアンめぐり@大阪・鶴橋

2008/09/20
大阪・鶴橋のガード下に、所狭しと店が並ぶエリアがあります。このエリアの薄暗さと、一軒あたりの店舗面積の狭さは驚くほどですが、さすがに活気もあって、まるで昭和時代のアメ横にやってきたかのような錯覚を覚えます。このエリアは日曜日が休みなので、この日(土曜日)、久しぶりに行って見ることにしました。

鶴橋コリアンタウン


衣料品店、鮮魚店、薬局、喫茶店などがひしめくなかで、ひときわ目立つのが、エリアの中心で最も活気のある韓国の食料品店です。キムチ専門店、屋台代わりのチヂミ専門店、岩のりや人参茶、マッコリなどの韓国食材が、ラインナップ豊かに並んでいます。韓国のタレントグッズ店までありました。公用語が韓国語ではないかというほど、パワフル。ふと屋台に立ち寄り、チヂミやトッポッキ、チャンジャなどをいただきました。見事なほどに屋台の味。うまい。

奥の方に行くと、豚肉専門店の店頭に巨大な豚の足が吊り下げられています。もちろん頭部もゴロンと置かれてます。店先には「日本一の豚肉」と書いてありました。確かに、日本一リアルな豚肉専門店かもしれません。コスメショップでは、韓国でしか売っていないというクリームが売っていました。

鶴橋コリアンタウン地図


結局、何軒あるんだろう? 久しぶりにアジアを旅したような、市場の活気に触れました。韓国料理は安くて旨いし、テンションがちょっと上がるのがいい。また来ようっと。
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容疑者を自供させるテクニック

2008/09/15
最近、いろいろと心理学系の本を読んでますが、ふと思ったのは、捜査官が容疑者に自らの犯行を自供させるというのは、最も高度な心理テクニックを使っているのではないかということ。そう思って読んでみたのが、この一冊です。

「『落とし』の技術」 著・北芝健 双葉社

被疑者として取調室に来れば、自分のその後の人生がかかっているだけに、様々な心理戦が展開されるはず。ドラマのように、ドン!と机を叩いたり、机の上の照明を顔に近づけたりと、高圧的な取り調べや、カツ丼を注文する場面がイメージされますが、実際にはそういうことはないようです。

面白かったのは、第二章の「動作や服装、態度でわかる被疑者の本性」。気になった部分だけで、こんなにたくさんありました。

・視線を右上に向けながら語った話は、嘘の話であることが多い
(視線を右上に動かすことは、左脳で言葉を駆使しようとする働きと関係があるそうです)
・目の力が弱いときは、会話を中断したがったり、捜査官の言い分を拒否する構えを取るとき
・上を向くのは、ウソを考えているとき。横を向くのは完全拒否。下を向けば、捜査官に屈した証拠。
・前傾姿勢は、被疑者が捜査官の話に乗ってきた場合か、挑戦的な姿勢を示したとき。

・取り調べの最中に身振り手振りが大きくなる容疑者は、自己正当化をしようとしている(ウソの供述をしている)
・一方の手で他方の手を握っているときは「防衛」。両手の指を組む時は「防衛」+「願望」。握りこぶしを膝の上に載せている時は「強い意志」を表わす。
・早口で話す被疑者は「不安と事実の隠ぺい」を狙うことが多い。こういうときは、タバコやお茶で「間」をとる
・腹部を抑えながら寝る人は内向的で、一見強がってはいるものの、依存心が強い。大の字で寝る人は自信家。うつぶせで寝ているようなら、かなりの神経質で、欲が強く、自我も強い。横向きになって、足をそろえて寝ていたら、精神の内部に苦悩を抱えていると考えられる。

・グレーの服を好んで着る人は、「一見、同調性があるものの、内実は違う場合が多い」。赤い服は「本当は自信がないが、自己主張が強い」。派手な格好の人は虚栄心が強く、それが進めば「実は借金が多くて首が回っていない」
・スーツを着て、一見れっきとした社会人に見えるが、髭をそっていない人間は、自尊心が強く、人を見下すタイプで、相手への礼儀が希薄。
・水玉模様のネクタイをしている人間は自己顕示欲が強く、ストライプやレジメンタルが好きな人は保守的。無地のネクタイが好きな人は「実は何も考えていない」、あるいは「すごく恐ろしい人」のどちらか。
・安いヒモなしの靴を履く人は「結果を急ぐ」タイプ。犯罪も大雑把。上等なヒモ靴を履く人は慎重で神経質、深謀遠慮型。

・出前で蕎麦を注文し、食事時間が極端に短い人は、ある種の犯罪に手を染めている可能性がある。潜伏先で肉を食べる人は血気盛んで猪突猛進型。
・バーでいきなり日本酒を飲む人はロマンチックな性格の人が多い。ワインを頼む人はマイペースな人。ウイスキーや焼酎などの蒸留酒を頼む人は論理的で冷徹な考え方をする人が多い。女性なら、最初にビールを頼む人は外向的。カクテルを頼む人は移り気な性格の人が多い。


こういう細かなプロファイリングから、被疑者の性格に合わせた取り調べが行われます。なにせ48時間で自供まで持ち込まなくてはいけないのですから、様々な手法が用いられますが、大きく分けて、自供までには三つのステップがあるようです。
1)話し始めるようになる
2)捜査官に心を開くようになる
3)犯行を自供する

取調室で、いきなり事件の話を聞いても、被疑者が話すはずがありません。様々な関係のない話をしながら、ゆっくりと迫っていくのです。その際に使われるテクニックは...
・話題だけでなく、話し方も被疑者に合わせる
・外見をほめる。性格をほめる。
・被疑者のプライドをくすぐる。故郷自慢をさせる。
・年金・税金問題から、「世の中、不公平だ」と共感してみせる
・女性の捜査では「5K」をしない、というのが基本。5Kとは、暗い・汚い・怖い・固い・臭い。
・甘いものやタバコを出して、安心感を与える

つづいて、「揺さぶり」がかけられます
・世間話の中に、現実の事件の情景を織り交ぜたり、刑務所生活の不安を呼びおこさせたりする
・捜査官と被疑者の関係ができかけたところで、担当者の交代をにおわせてみる
・捜査官と被疑者の「ラポール(rapport)」(=調和の関係)を築き上げる

最後は、「落とし」の技術です。できるだけ短い期間で、なるべく居心地の良い刑務所で過ごしたい、という被疑者の感情を利用します。

「今を逃すと刑が重くなる」
「今、積極的に話せば情状酌量の余地もあるが、今を逃すと『犯情悪質』のレッテルが貼られるぞ」

そのときに大切なのが捜査官と被疑者は対等であるという印象を持たせることです。さもないと、法廷で「自白を強要された」とひっくり返される恐れがあるのだそうです。


これぞ、現場で使われる最強の心理学ですね。これをビジネスの現場に応用できたら、面白いことになりそう。この本によると、日常生活での極意は「相手の尊厳を傷つけないこと」。相手から自発的にしゃべらせるテクニック、なかなかマスターできないと思いますが、試してみる価値は充分にありそうです。
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