諏訪大社御柱祭:下社木落とし

2010/04/10
数え年で7年に一度、実質的には6年に一度行われる、諏訪大社の御柱祭。氏子の男たちとともに、巨木が坂をすべり落ちていくことで有名です。巨木の下敷きになるなどして、命を落とす危険もあるといいます。実際のところはどうなのか、天気の良さそうな日を狙って、行くことにしました。
御柱祭:木落とし坂1


諏訪大社の御柱祭は6年に一度、社殿の四隅に立ててあるモミの大木「御柱」を立て替える行事です。平安初期に始まったという記述があるほど、歴史あるお祭りです。巨木は長さ17m、直径1m余り、重さ10トンを超えるといいます。この巨木を山から切り出して、人力のみで神社へと運びます。祭りのハイライトは、巨木を山から里へと引き出す「山出し」の道中で急な坂をすべり落ちる「木落とし」にあります。今回見に行くのは、その「木落とし」の場面です。

「木落とし」は諏訪大社の上社と下社で各8回、合計16回行われます。上社と下社では降りる坂が異なり、下社のほうが傾斜が急です。ということで、下社の木落としに人気が集まっているようです。

祭りの一週間前に観覧席券を探そうとしましたが、往復はがきでの申し込みが必要で、受付終了は2月20日。すでに後の祭りでした。もし当選したとしても下諏訪町役場まで取りに行かなくてはいけないというハードルの高さ。地元以外には厳しい条件でした。

わずかに当日売りが出ているということで、当日午前6時に御柱祭情報センターに電話をしてみましたが、「長い列ができている」という説明以外に材料はありませんでした。諏訪地域のコミュニティーFM「LCV-FM769」の御柱祭情報を聞いていると、なんと午前1時から並んでいる人がいたということでした。その日の最低気温は5度以下でしたから、相当寒かったでしょう。御柱を見るのも、相当の気合が必要なようです。

観覧席の予約なしで、木落としを一番近くで見るにはどうしたらいいか、とにかく現場に行ってみることにしました。

午前7時に木落としの会場付近に着きました。会場から一番近い駐車場は料金なんと1日3000円。結局、シャトルバスの出発点となる「赤砂崎」の特設駐車場に向かいました。ここなら一日500円。シャトルバスが片道100円ならリーズナブルだろうと考えました。ところが...停留所の前は長蛇の列。バス5台分では済まないほどの乗客が並んでいます。地元の放送が聞こえてきて、バスに乗るまでの待ち時間は、なんと2時間という情報...絶望的な気持ちでひたすら待ち続けていたら、続々とバスが登場し、40分ほどで乗車できました。

木落とし坂まではバスで15分程度。バス停から会場までは歩いて10分あまり。急な坂のてっぺんに着きました。最大斜度35度。木落としの恐怖を感じました。
御柱祭:木落とし坂2


坂の上には記念碑もあります。
御柱祭:木落とし坂の上の記念碑


坂の下から見上げると、こんな感じ。御柱の轍ができています。
御柱祭:木落とし坂の下


木落としに一番近いところで見ようと、規制線の近くに陣取ります。しかし、2度にわたって警察による整理が繰り返され、結局斜面から数メートル離れた木陰から見ることになりました。おさえた場所の斜度がきつく、その場で待っているのもつらい状態。そこでしばらくその場を離れました。この判断がまた間違っていて、木落とし予定時刻の1時間前に戻ろうとしたら、その前に会場は身動きが取れないほどの見学客で埋め尽くされ、道路は通行止めに。おさえた場所に戻れなくなってしまいました。
御柱祭:路上から見る


ということで、この日一回目の木落としは遠くから見ることに。うわーっという歓声が聞こえ、大きな土ぼこりが上がりましたが、肝心の木落としの瞬間は何も見えませんでした。

午前中の場所とりでおさえた場所はぐしゃぐしゃに。そこでもう一度、場所を取り直しました。ここが無料でなおかつ一番近い場所で見られそうなポイント...ですが、斜面が急で足場を確保するのも大変。足場の土はやわらかく、ズリズリと落ちていく体をおさえるのも一苦労です。
御柱祭:2回目のポイント


待つことおよそ1時間、やっと木落としが始まりそう...氏子たちの掛け声が「ヨイサ!ヨイサ!」とこだまします。
御柱祭:木落とし前の気勢1


御柱祭:木落とし前の気勢2


進軍ラッパが鳴り、アドレナリンが上がってきます。「うわーっ」という歓声とともに、木落としが始まりましたが、なんと坂の脇で縄を持っていた氏子の影で、その瞬間が見えませんでした。
御柱祭:木落としの瞬間


がびーん。何のために早朝から行ったんだろう...木落としを無事に終えて気勢を上げる氏子たちとは対照的に、こちらは「気落とし」してしまいそう。
御柱祭:木落とし直後


シャトルバスを待つと時間がかかると思い、およそ1時間、4km、トボトボと歩いて町に戻りました。途中、諏訪大社下社に寄りました。
御柱祭:諏訪大社下社2


出雲大社のように注連縄が立派です。
御柱祭:諏訪大社下社


本殿の周りには、6年前の御柱が立っていました。年月を経たせいか、小さくなったように見えました。
御柱祭:6年前の御柱


社務所では御神木でしょうか?切り株が1000円で売られていました。御神木は最後まで有効活用されているようです。
御柱祭:御柱最後の姿


会場から去る途中に木落としの瞬間を伝える映像が流れていました。観覧席からはパブリックビューイングのように見られたのでしょうか...当日ひょっこりやってきて、無料で見ようというのは甘い考えなのかもしれません。でも、会場に来た22万人(ニュースによると)のうち、観覧席の客数はそれほど多くないはず。その瞬間が見られなかった観客は多かったのではないかと思いました。
御柱祭:観客多数


7年に一度という触れ込みにつられて行ったものの、雰囲気を充分に味わえずに帰途につきました。残念!
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