一日一客!伝説のすっぽん料理@滋賀・膳所

2009/01/21
創業から50年以上、一日一客しか予約を取らず、素材はすべて天然モノという伝説のすっぽん料理店が滋賀県・大津市の閑静な住宅街の一角にあります。「果たして繁盛するのだろうか」といぶかりたくなるようなロケーションですが、料理関係者などで予約は常に一杯なのだそうです。そんなレアな機会が、友人の誕生祝のご相伴にあずかる形でやってきました。

立派な日本家屋の入口には、すっぽんの絵が入ったのれんが下がっていました。着いて早々、生簀(いけす)の見学。透き通った水に、すっぽんの首先だけがひょこっと顔を出していました。そこにご主人がどこからか、2匹(オスとメス)のすっぽんを連れてきました。
天然のすっぽん@すっぽん北村


1匹あたりの重さは、およそ2kg。。養殖でこのような立派なすっぽんが育つことはないそうで、天然ものならではの大きさです。元気一杯なので、噛みつかれないように、そーっと持ち上げてみました。甲羅の反対側の2箇所にある窪みに指を入れて持ち上げられますが、これがなかなか重くて大変。
天然のすっぽん2@すっぽん北村


つづいて、ご主人のすばやい解体作業を見学。あっという間に首をバサッと落とし、血を抜きます。
すっぽんの血抜き


落ちた首はしばらく動き続けてました。すっぽんの噛みつく力も、しばらくは健在で、試しに雑巾をたらして、噛みついたところを引っ張ると、これがまったく引っ張りだせないのです。その強烈な筋力はいったいどこにあるのだろう...
切り落とされたすっぽんの首


抜かれたすっぽんの血を湯のみ3分の1ほど一気にゴクッといただきます。これがスッキリとした味。ほんのりとした鉄分を感じますが、ドロッとしたところは全くなく、血なまぐさい感じもほとんどしません。ゆっくり飲まないように、と事前に言われましたが...
すっぽんの血を飲む


ご主人の解体はさらに続き、肝臓、心臓などがきれいに取り除かれていきます。
すっぽん解体1


すっぽん解体2


すっぽん解体3


すっぽん解体4


ちなみに、これは肝臓。
すっぽん解体5


このうち、心臓を、チュルッといただきました。味は全くありません。触感もありません。いかにも、滋養強壮に良さそうです。
すっぽんの心臓


こうして、2匹の立派なすっぽんは、およそ15分ほどで解体されました。あまりにも見事な手さばき。息のつく暇もありませんでした。ご主人は「すっぽんに無駄なところなんてないんだよ」とおっしゃってました。
すっぽん解体後


樹齢1200年の栃の木を使ったテーブルに案内され、いざ「実食」です。
まずは、生レバー。このしょっぱさが、日本酒にぴったりです。
すっぽんレバー


つづいて、お刺身。歯ごたえがしっかりとあります。卵の黄身は濃厚。生姜の上にあるのは、白子...だったかな?
すっぽんの刺身


いよいよ、すっぽん鍋の登場です。エキスがたっぷり入った汁はスッキリとした味わいです。
すっぽん鍋2


最初にいただいたのは、コラーゲンたっぷり「エンペラ」といって、甲羅のまわりの部分です。
すっぽん鍋1


これはすっぽんの肉。
すっぽんの肉


つづいては、裏の畑で栽培しているという、椎茸や葱、豆腐が入ります。
すっぽん鍋3


さらに大きなキャベツの葉が入ります。これまた裏の畑で栽培しているのだそうです。
すっぽん鍋4


時が立つほどに、エキスが染み込んで、味が豊かになっていきます。
すっぽん鍋5


最後はやはり雑炊です。濃厚な味わいでした。もうお腹いっぱいです。
すっぽん鍋6:雑炊


デザートは干し柿。色の明るいもののほうが、甘く感じました。
すっぽん北村の干し柿


すっぽんは実際に食べてみるとあっさりしていました。カロリーも低めなのだそうです。翌日、肌は心なしか張りが出ていたように思います。これはコラーゲン効果かな? 心臓がバクバクして寝られないかと想像していましたが、実際には帰宅するとすぐに寝てしまいました。

解体から、雑炊まで、すっぽんを心ゆくまで堪能させていただきました。食べるという行為は、他の生き物の生命をいただくことだというのをリアルに実感した、貴重な体験でした。
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ゴージャス食べ放題:北海道の蟹と牡蠣

2008/11/08
普通にお店でひとつ食べるだけで贅沢と言われる、北海道・仙鳳趾(せんぽうし)の牡蠣。この牡蠣と、蟹を心ゆくまでいただくという、とんでもなくゴージャスなイベントが、川崎で行われました。当日に、友人からお誘いをいただいて、参加させていただくことになりました。

まずは、釧路産ずわい蟹のむき身。解凍したり、しゃぶしゃぶにしたり、網で焼いたりしました。蟹は時がたつと小さくなっていくので、瞬間冷凍というのは、鮮度が保たれる上に、肉厚感がスゴいのです。
釧路ずわい蟹のむき身


こちらは、タラバガニ。
釧路のタラバガニ


そして、お待ちかね、仙鳳趾(せんぽうし)の牡蠣です。直送されてきたのがわかります。この量!
仙鳳趾(せんぽうし)の牡蠣1


殻にナイフを入れて割って、生にレモンをしぼっていただいたり、火であぶって、殻がパリッとわれたところを開けていただいたり。後者はとても味が濃厚でした。
仙鳳趾(せんぽうし)の牡蠣2


とにかく、いくついただいたか、記憶が飛んでしまうほどの、圧倒的な量と、質。一年分の蟹と牡蠣を食べたような感じです。川崎に行ったはずが、漁師町で食べているような錯覚を覚えました。全身から磯の香りがしてくる感覚が、1日半ほど続きました。それにしても、贅沢で幸せなひとときでした。ほとんど王様気分です。

ちなみに、これらの蟹と牡蠣は、栃木県の「佐野プレミアムイタリアン」でお取り寄せが可能だそうです。
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「平安王朝料理」を食す@京都「六盛」

2008/10/18
およそ1200年前の平安時代に、貴族はどのようなものを食べていたのか? 文献を頼りに、およそ5年かけて研究し、可能な限り再現した料理「創作平安王朝料理」を、明治32年創業の老舗「六盛」でいただきました。いったいどういう料理が出てくるのでしょうか?

褥(しとね)


食事の前に「六盛」三代目の堀場弘之さんのお話をうかがいました(今回は、伝統未来塾の授業として、体験させていただきました)。

・平安時代の料理について記載された文献は、とても少ない。というのは、当時「グルメは卑しい」という考え方が行き渡っていたため。
・再現したのは「大饗」(だいきょう)=王朝の正餐。当時の貴族は年に一度か二度、この正餐を味わっていた。
・料理は素材を大切にしたシンプルな料理。京料理の源流と言えるのではないか。
・お米と魚貝が中心。貴族の威厳を示すため、野菜はあまり使われない。野菜を煮炊きするようになったのは、室町時代以降。
・当時の料理には調味料がない。酢・酒・塩・醤(ひしお)の四種の調味料=四種器(よぐさもの)を、自分で貝(=スプーン)を使って調整する。
・食材は2ヶ月かけて用意する。当時は鶴も食べていたらしい。料理は1週間前から始めていた。
・メインディッシュは、最初に登場するお米。「御物」(おもの)と呼ばれていた。そのまわりに並べていただく料理を「あわせ」と呼んでいたが、数が多いほどごちそうだったので「かずもの」とも呼ばれるようになって、それが後々に「おかず」に変化した。
・料理は横1m、縦60cmの台板の上に載せられる。一人当たりのスペースが広い。
・席には「褥」(しとね:小さな正方形の薄畳)が置かれている(冒頭の写真)

さて、いよいよ「実食!」です。お部屋に入ると、当時の食事の状況を再現するために、薄暗い照明になっていました。そして、自分の席には、独特の盛りつけをした料理が並んでいました。

○一進:「祝菜」(ほがいな)
まずは全体図。右手前が四種器といわれる調味料。お酒はにごり酒です。ここで使われたお箸とスプーンは、当時と同じ純銀製でした。これが結構重い。朝鮮半島の影響なのでしょうか?
創作平安王朝料理(1)祝菜


もうちょっと料理に寄ってみましょう。いきなりメインディッシュです。真ん中の円柱上のお米が強烈です。直径・高さともに10cm弱くらいありました。最初に中央下の皿「蘇」(そ)をいただきます。乳を煮詰めたもので、味としてはチーズに近い感じでした。
創作平安王朝料理(1)祝菜2


料理の説明はこちら。
創作平安王朝料理(1)祝菜の説明


○二進:「羹」(あつもの):汁物
鱧とまつたけです。これは現代的ですね。
創作平安王朝料理(2)羹(あつもの)


○三進:「割鮮」(かっせん):刺身
鯛。醤油が欲しい!頼めば持ってきてくれますが、ここは王朝気分優先でいきます。
創作平安王朝料理(2)割鮮1


いかの磯巻き。
創作平安王朝料理(3)割鮮2


○四進:炙(あぶりもの):平安時代は素焼きが中心だったそうです。
甘鯛の塩焼き。
創作平安王朝料理(4)調菜


○五進:調菜(ちょうさい):野菜や乾物が中心。魚貝が加えられるのは室町以降だそうです
まつたけのおひたし。しまった!写真撮るのを忘れた!

○六進:挙物(あげもの)
天ぷら。これは、平安時代にはない料理です。
創作平安王朝料理(6)挙物(あげもの)


○七進:窪坏物(くぼつきもの):生ものを細かく切って、酢で洗う程度。
もずく。
創作平安王朝料理(7)窪坏物(くぼつきもの)


○八進:姫飯(ひめいい)
赤米のぶぶづけ。赤米は当時とほぼ同じ。おめでたい色だと考えられていました。
創作平安王朝料理(8)姫飯(ひめいい)


○九進:木菓子(きがし):くだもの=果実。
創作平安王朝料理(9)木菓子(きがし)


○十進:唐菓子(からがし):揚げ菓子
クッキーのような感じ。中心が少しジメッとして、甘い。
創作平安王朝料理(10)唐菓子(からがし)


すべて食べ終わると、お腹が膨れて動けなくなりました。最初のお米をたくさん食べたのがいけなかったかもしれません。

全体を通しての感想としては、やはり平安時代の料理は素朴、ということです。火のコントロールも不自由だし、冷蔵庫のない時代だから、食材のフレッシュさも違うだろうし、グルメが贅沢だというのもわかるというものです。とすると、調理技術が発展する前の料理を再現しながら、「おいしい」と感じさせるための努力は大変ですよね。とにかく、貴重な体験をさせていただきました。
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タケダワイナリー収穫祭@山形・上山市

2008/10/05
山形県上山(かみのやま)市にあるタケダワイナリー。できるだけ農薬を減らし、化学肥料を使用しない自然農法によるワインづくりで知られます。今年の洞爺湖サミットのオープニングで、このワイナリーのスパークリングワインが使われたことで、注目を集めました。このワイナリーの収穫祭に友人が招かれたおこぼれにあずかり、去年に続いて参加することができました。(感謝です!)

ワイン樽のオープン!


13時30分からの「ワイン講習会」では、サミットで実際にソムリエを担当した吉田浩之さん(白馬リゾートホテル ラ・ネージュ東館 レストランマネージャー)が、当時の状況などを話されました。面白かったのは、給仕する順序。大統領→首相の順。在任期間が長い方から順番。最後がホスト国となっているのだそうです。ちなみに、ブッシュ大統領は、黄金の缶に入ったダイエットコーラを、ワイン大国・フランスのサルコジ大統領、カナダのハーパー首相は水を飲んでいたそうです。せっかくの機会なのにね。使われたグラスは、オーストリアのロブマイヤー。数が少なかったのに使用頻度が高く、使い回しが大変だったそうです。

1時間後には、テイスティング。2007年収穫の「シャトータケダ 白」、先月瓶詰めしたばかりの微発泡ワイン「サン・スフル」、3杯目はブラインド(とは言っても、ワイン通ばかりの参加者にはバレバレでした)での試飲でした。どれも非常に特徴があって、しかもおいしいのです。

続いては、岸平社長の説明つきでのワイン畑の見学。実は自分にとってはこれが一番面白いのです。この畑に、自然農法に対するこだわりや思い入れが詰まっているのが、とてもよくわかるからです。

ぶどう畑と言えば、棚仕立ての栽培のイメージがあります。こちらは国産のベリーA。
タケダワイナリー:ベリーA


たわわに実ったぶどう。ちょっといただいてみましたが、甘くて旨い! 種を噛んで「甘い」と感じた時が熟成のサインだそうです。
タケダワイナリー:ベリーAの実


タケダワイナリーの畑のうち、およそ70%がフランスと同じ「垣根仕立て」。こちらは欧州系品種のメルロー。
タケダワイナリーの畑:メルロー


この方法だと、一本の枝から採れる数が少ないものの、光がよく当たり、果実が濃い味になるのだそうです。
タケダワイナリーの畑:メルローの実


父親の代から土壌改良を続けてきた畑の土は、雑草の下でふかふかとしていました。
タケダワイナリーの畑:ベリーA


つづいて、ワインセラーへ。この471番の樽は、ワインと樽の相性が特別に良いことから、極上の味になりそう。「ドメイヌタケダ ベリーAスペシャル」として特別価格で販売されるそうです。実はこれが先ほどのテイスティングの3番目にブラインドで出されたワインだったのです。
ドメイヌタケダ ベリーAスペシャル#471の樽


最後は、お待ちかねの収穫祭。こちらは会場。ぶどう農家や流通関係など、ふだんタケダワイナリーがお世話になっている人たち200名近くが招かれています。
タケダワイナリー収穫祭会場


そして、収穫祭と言えば、樽開けのワイン。2007年自社畑収穫のブラック・クイーン100%。澱引きする前の原酒のようなワインです。でも、これが味わいがあるのです。
タケダワイナリー収穫祭:樽開けワイン


食事では、名物の子豚一頭炭火丸焼きやローストビーフ、野菜サラダとサラミ、これまた名物の焼きそばがふるまわれました。いやー、おいしい!


岸平社長は「昨今、環境にやさしいと言えば、それでOKのように言われるが、それには違和感を感じる。海外のワインのブランドではなく、おいしい国産ワインを飲めば、フードマイレージの縮小につながり、それが環境保護につながると思う」とおっしゃっていました。

そうそう、利便性や価格、ブランドに振り回されず、地産地消を心がけること、それが豊かな国土と環境保護、それに楽しく豊かな食生活につながると、大量のワインでふらふらになりながら、実感しました。
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地場イタリアンを満喫@山形・鶴岡「アル・ケッチァーノ」

2008/05/10
とれたての新鮮な食材に超一流シェフの腕が加わったら...これほどのぜいたくはありません。山形・鶴岡市にある地産地消型のイタリアン「アル・ケッチァーノ」は、そんな贅沢が味わえる店として知られています。それだけに、週末は全国から食通が殺到して、予約が大変難しいということです。今回、ありがたくも知人のご相伴にあずかることができました。

アル・ケッチァーノ外観


アル・ケッチァーノという店名は、一見イタリア語に見えますが、「(美味しい店が)あるけっちゃの」という山形弁に由来しています。お店の前にも「地場レストラン」の看板があり、地元意識の強さを感じます。
地場イタリアン


肝心の料理ですが、まず最初は、このお店の定番という、ブリの刺身。器は、このためにつくられたという、琉球ガラスです。深みのあるブルーが美しい。彦麻呂的表現でいうと「ユニバースや〜!」
ブリの刺身


オオイオと山アスパラ。
オオイオと山アスパラ


筍と小魚の揚げ物(下には地元紙・山形新聞)
筍と小魚の揚げもの


冷たいトマトのパスタ ゆき塩とリコッタチーズ添え
冷製トマトパスタ1


冷製トマトパスタ2


軽くあぶった桜鱒
軽くあぶった桜鱒


筍の皮の中身は....
筍の皮に覆われたリゾット1


皮をはずすと、リゾットでした!
パプリカ?のリゾット


山菜づくしのテールスープ。山菜の豊かな風味と、牛テールとコンソメの澄んだ味わい。ぜんぜんしつこくないのです。
山菜のテールスープ


ホタルイカの自家製手打ちパスタ トマトソース&ピリ辛仕上げです。
ホタルイカの自家製手打ちパスタ


羊のロースと内臓。ロースは羊の香りがほとんどしません。内臓はツルッとした感触で、臭みがなくて、心地よい味わいです。お店にとって、内臓を客に出すのは勇気が要るそうです。客によってはクレームをつけかねない。これをいただくには、お店と客の共犯関係が成立しないといけないそうです。こんな共犯なら、喜んで乗りますよね。
羊のロースと内臓



本来、ここからデザートをいただいておしまいですが、きょうは特別に追加注文してしまいました。

ふぐとからすみのペペロンチーノ
ふぐとからすみのペペロンチーノ


山菜づくしのリゾット。チーズもガーリックもなく、ほとんど雑炊です。
山菜づくしのリゾット


ここからは別腹。デザートです。

アイスクリーム on 佐藤錦
アイスクリーム on 佐藤錦


さらに!バースデーケーキ
バースデーケーキ


すっかり食べ尽くしました。素晴らしい味のオンパレードです。地元の食材をどのように生かして、どういう味に仕上げるか? 次の料理を待つ間も、出てきてから食べるまでも、食べてからの食後の余韻も、楽しむことができました。

全体的な味の印象は、大阪のイタリアンにみられるパンチの強さとは対照的に、割烹に近いやさしさを感じました。素材の良さを活かそうとすると、そういう味になるのか、はたまた、シェフの志向がそうなのかはわかりませんが、カラダにも優しい気がしました。こういう地産地消の美味しいお店が各地に増えていったら、ニッポンの食文化はもっと豊かになると思いました。
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